皆さんこんにちは!
合同会社大柿工業、更新担当の中西です。
さて今回は
~省エネ&快適性を底上げ~
“入れて終わり”では、空調の価値は半分。運用・保守・データまで回すと、光熱費は落ちてクレームも沈みます。ここでは今日からできる改善を優先度順に整理しました。
1|まずは“見える化”だけで3割進む
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室温/湿度/CO₂/電力/運転モードを1画面に集約
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週間グラフで在室ピークとズレを発見(“空き時間の全力運転”を撲滅)
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アラート:フィルタ差圧↑、ドレン満水、CO₂上振れ
2|換気の賢い運用
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CO₂連動で需要制御換気(DCV):過剰換気↘で省エネ
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熱交換換気を冷暖房ピーク時に優先投入(外気負荷を抑える)
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夜間/早朝:外気が有利ならナイトパージで蓄熱を抜く(夏)
3|温湿度の“心地よさ”を設計する ️
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夏:冷房温度を上げても除湿が効けば快適(再熱・送風切替を活用)
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冬:過乾燥は不快&静電気→加湿または外気混合率を見直し
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ドラフト感は最大の敵:風速を抑え、吹出角度を調整
4|スケジュール & ゾーニング ️
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営業/執務/倉庫/会議室で独立スケジュール
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プリクール/プリヒート:開店30分前から“やさしく立ち上げ”
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会議室は予約連動で自動オン/オフ(無駄ゼロ)
5|フィルタと熱交換器のメンテ
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前置き粗塵→中性能の二段で寿命を延ばす
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月次:フィルタ清掃/交換、コイル表面の洗浄&翅曲がり補正
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年次:室外機熱交の洗浄、ファン/ベルト/ドレン/断熱補修
6|“簡易診断”で異常の早期発見
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**ΔT(吸込-吹出)**が基準から外れたら:風量過小/冷媒量/コイル汚れを疑う
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消費電力の上振れ:フィルタ詰まり/凝縮器汚れ/外気過多
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霜付き:風量不足/サーモ不良/外気条件のミスマッチ
7|厨房/医療/ジム…用途別ミニTips ️
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厨房:排気>給気のバランスで負圧過多になりがち→給気増で“扉が重い”を解消
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医療/ラボ:ゾーニング換気(清潔→準清潔→汚染)を一方通行で
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ジム/スタジオ:CO₂と湿度に応じて外気と風量を増量、床付近ドラフト注意
8|制御のアップデート
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在室/CO₂/外気で三位一体制御(温度だけ見ない)
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最小風量の底上げ→露点管理が安定(カビ臭/結露を抑制)
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段調圧制御でファン電力を削減(風量³に比例して効く)
9|年次計画(OPEXを守る)
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季節前整備:夏/冬の切替で点検項目を分ける
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予防保全:消耗部品(ファンベルト/PSU/センサー)は時間or状態で交換
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法定点検:記録はクラウド台帳で写真添付。監査対応が秒で終わる
10|よくある誤解をリセット ♀️→♀️
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“設定温度を下げれば早く冷える” → 立上げ速度は能力×風量。極端な低設定はオーバーシュートの原因
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“換気を増やせば安心” → 過剰換気は電力↑&湿度不安定。CO₂連動が最適解
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“止めれば省エネ” → 入り切り頻発はかえって損。間欠/減風/温度ドリフトで柔らかく運転
11|KPI(月次レビュー)
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kWh/㎡、ピーク電力、CO₂95パーセンタイル
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ΔT・ファン周波数・外気比率の“散らばり”
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フィルタ差圧と交換周期、ドレン詰まり件数
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クレーム件数(暑い/寒い/風/臭い)